高い部類に入るコーヒー豆を手挽きするやつを買った。レビュー的なのを書く。
コーヒーマニアな話しかないのでコーヒーに興味ない人は読まなくていいやつ。
日本ではミルと言うことが多いけど、海外では挽くやつのことはたいていグラインダーと言われている。なぜなのかは不明。
結論から言うと、以下の点に問題がない人にはおすすめできる。すごくいい。
- ハンドルが折り畳めないこと
- エスプレッソ挽きは不向き
- ハンドドリップ(ポアオーバー)かプレスで淹れる
- クリーンな味わいのコーヒーを淹れたい
ちなみにTIMEMOREは中国のメーカーなので中国からの情報を探そうとするときは "泰摩 栗子 X lite" で検索するほうが情報が出る。
X liteのスペックよさそうだった
粒度分布の記事を見ていたら MAHLKONIG(マルケニッヒ) の EK43 に分布が似ているという話があって、おいおいマジかよとなった。
【粒度分布検証】TIMEMORE「栗子Xlite」の中挽き・微粉量をレビュー|珈琲器具研究室「こまめ家」
「コーヒーは必ずしも粒度分布が揃っている・微粉が少ないことだけが正義ではない」というのはわかっている。けど特に浅煎り豆でもブレにくくクリーンな味が安定して出せるものが欲しかった。
コマンダンテC40でもなくChestnut XでもなくX liteが頭抜けているという情報に気になりが止まらなくなった。
あとデザインがかなり好み。
Unboxing
Amazonで買ったら箱にそのままシュリンク包装で配送されてきてワイルド&エコだった。
ゆえに箱の左下が若干凹んでいる。箱からは材質的なアレなのか若干酸っぱいニオイがした。本体が壊れてたら交換してたけど、壊れてないから箱はまあいいやという感じ。
ロゴは箔押し加工でS2Cのシールはホログラムになっていて高級感がある。
上蓋開けたらAppleみたいな梱包だった。
ボックスにブラシ・保管袋・乾燥剤。保管袋の中に保証書・検査合格書・説明書が入っている。


このブラシが最高。
で、ようやく本体。グラインダー本体だけちゃんと袋に入っている。
こんにちは。
買ったのはブラックのほう。グリーンのほうはなぜかちょい高いし、黒いほうがよかったのでこっちにした。
感想
使用感
縦に溝があるデザインでこれがグリップ感を高めてくれている。デザイン的にも個人的にはこの縦の溝がミニマルな雰囲気の中に道具感を生み出していて好き。
実際Xのほうはツルッとしていて滑りやすいという話を聞くけど、X liteは冬の乾燥している手でも滑ったりしなくて普通に使いやすい。
挽き心地はスムーズかつ軽くて、浅煎り豆でもほぼ引っかかることなくサクサク挽けるからそこまで疲労感がないのがいい。これほど負荷がないなら1日1〜2回であれば手で挽いていられる。
掃除用のブラシは普通に作りも毛並みもいい。ただ紐が付けられたりしないので引っ掛けておくことができず若干収納に不便。
本体の底面はシリコンの滑り止めが貼ってあり、キッチン台に置くときに傷とか心配しなくていいし金属が当たる感じがないのが地味にいい。
ハンドルは折り畳めないけど、家でしか使用せず持ち運ぶ気がさらさらない自分には関係がなかった。もし仮にハンドルが折り畳めたとしても600gもあるのでこんな重いグラインダーは持ち歩きたくないと思う。
挽目調整&挽き具合
0点は一番締めた状態。そこから反時計周りにクリック数15がポアオーバーの推奨値と説明書には書いてある。
国内だと4.5以下の使用はNGという情報ばかりなのだけど、自分の説明書には3以下がNGと書かれていて謎。でもエスプレッソ挽きはそもそもしないし、無理やりエスプレッソ挽きしようなんて思わない自分には関係がなさそう。
自分はいつも15gのレシピでやっていて、豆にもよるけどだいたい15クリック前後で平均1分ほどで挽き終えられる。
他の人のレビューどおり粒度は目視でわかるレベルで相当揃っている。ドリッパーに移したときのビジュアルが美しいレベル。浸漬式で落とし終わったあとのコーヒーかすを見ても粗挽かれてしまった大きい断片が混じっている様子はなく揃っていて圧巻。
味
全体傾向
焙煎度合いに関わらず期待通りかなりクリーンな味が出る。
甘味・旨味・酸味・香味とは別に苦味が遠く奥の方に隔離されているような味。
口にふくむと最初はコクすら若干置いていかれている印象で明るくて軽くスッキリした舌触り。
透過式ドリップ
微粉が少ないのが影響していると思うけど、V60ドリッパーだと相当落ちが早い。それゆえ人によっては味がクリーンすぎると感じるかもしれない。
普段より細挽きに寄せたり、テクを駆使して抽出速度を下げたり、元から抽出速度が遅いドリッパーで淹れるほうが好きな味に近づく人は一定数いるかもしれない。
浸漬式ドリップ
X liteは特にシングルオリジンのスペシャルティ浅煎り〜中煎りに向いている気がする。X liteで挽いて浸漬式で淹れるとカッピングどおりのシングルオリジンらしい豆の特徴を嫌味なく出せる印象。雑に言うとちゃんとしたスペシャルティコーヒーを出すカフェの味そのまま。
これは悪い意味で言っているのではなくていい意味で言っている。それだけグラインドの精度が業務用のグラインダーに匹敵していることの表れだと感じる。
買ってよかった。個人的には文句のつけようがない。
グラインドのクオリティに信頼をおける以上は、もしまずいコーヒーが出来上がったら間違いなくグラインダーではなく自分のせいということがわかる。
コーヒーは無限に面白い。
ここまで書いておいてなんだけど、時代は動画なので、ぶっちゃけYouTuberを見るほうがはやい。